にっぽん別荘めぐり

南関東の人気別荘エリア「伊豆・箱根」

関東の人々にとって「伊豆・箱根」という地名には独特の郷愁と安らぎのイメージを抱かせる印象があるようです。伊豆地方と箱根地区はともに関東南部に位置する保養地であり、比較的近い距離にあることから「伊豆・箱根」とひとくくりにして呼ばれることが多いのですが、実際にはどちらも独特の風土的特性をもったエリアとして知られています。そこで、ここでは「伊豆」と「箱根」それぞれに分けて語ります。

芸術家を刺激する地「伊豆」

まずは伊豆地方。「伊豆半島」を構成する地形が大きな特徴で半島全域を山岳地帯が占めており、活火山帯の影響で群発地震が頻発する一方、地下のマグマから噴出する温泉が観光地としての命脈を保ち続けているという土地柄です。

かつての律令国家体制下では「伊豆国」として関東では重要な役割を担っていた歴史ある地域でもあり、山岳地帯の景観と太平洋を望む景色の素晴らしさによって、昔からしばしば文学作品などによく登場する土地として有名です。

地学的にはフィリピン海プレートが最も活動していた時代に醸成された独特の地形により、海岸に近い土地とは思えないほど険しい山々や入り組んだ深い谷間が多いことでも知られており、その独特のフォルムが画家や写真家などの美術家たちを刺激し、彼らの視点を通して数多くの伊豆をモチーフとした作品ができあがりました。

あのノーベル文学賞作家の作品の舞台ともなった場所

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